大豆製品の製造加工専門店 有限会社野瀬商店
嬉野大豆は一般に豆腐作りに使用されているフクユタカよりも豆が一回り大きいです。
嬉野大豆は一般の大豆よりも炭水化物の分量が多いので味や風味が良い製品ができます。
大豆は一般的に油分の多い穀物ですが、嬉野大豆は脂質の成分が少ない為納豆などに加工した際には臭みが少なくなっています。
大豆の種類は約300種類以上。とうふは地元で作っているけど、肝心の大豆の原産地がわからない、という事がまだ多かった時代。「地元の地大豆を使って・安心・安全で美味しいとうふを作りたい!」そんな社長の想いから産まれた「嬉野大豆」。 県の栽培試験場より三重県固有の在来大豆の種を数種類譲受け、社長自ら栽培。その中に今まで食べたことのないとうふが完成した大豆がひとつ。それが後の嬉野大豆の親となる「美里在来」大豆だったのです。
美味しい大豆を見つけた!!と喜んでいたのもつかの間。実際に美里在来大豆を生産すると、枝葉がとてつもなく大きく成長。一番葉が生い茂る時期にはまさに大豆ジャングルとうい状態。秋になり収穫の時期を迎えたものの、通常使用しているコンバインの刃が通用しないという事態が発生… 大豆の枝葉が育ちすぎる、という予想外の事態に焦っているところへ、追い打ちをかけるように次の問題が発生しました。枝葉は育ちすぎるほど育っているのに「サヤ」がまったく付かないという事態が数年に渡り続いたのです。これでは美味しいとうふを作るどころか、収穫すらできません。社長の苦悩と葛藤は続きます。
頭を悩ませていた社長は取引先の方からある人物を紹介されました。それが「大豆のプロフェッショナル」三重大学の梅崎教授。社長は「美味しくかつ栽培しやすい大豆を作りたい!」を無茶な要望を教授に依頼。畑を訪れた教授は、数千本の苗の中からわずかな苗を厳選。大豆の粒の大きそうな10本とサヤ付きの良さそうな10本。合計20本の美里在来が選抜されたのです。
選抜された美里在来20本は三重大学で栽培実験が行われました。様々な調査を受けた結果、翌々年には4系統まで選抜され、さらにその4本を4年の歳月をかけて系統選抜を行い一番育てやすい系統が「嬉野大豆」として命名されました。 枝葉が育ちすぎるという問題は植えつけ時期を遅らせる方法で解決しました。
こうして厳しい選抜を勝ち抜いた、大豆が「嬉野大豆」として再び嬉野へ帰ることができたのでした。 社長の想いから12年、美しく自然に囲まれてすくすくと育っている嬉野大豆は、美味しいとうふや味噌などの加工食品へと姿を変え、今日も皆様の食卓を彩っています。